リビング周りのアレンジのひとつとして、相談されることもおおい小上がりスペース。
今回は小上がりスペースの最適な高さについて解説していきます。
小上がり高さは、使い方次第でおススメの高さが変わります。
もし、リビングまわりに小上がりスペースを考えているなら、この記事を読んでから、まずは自分たちが小上がりスペースを何に使いたいか考えてみてください。
小上がりをつけたい人の3つの理由
リビングの一部、あるいはリビングつづきの部屋を小上がりにしたいという要望は少なくありません。
小上がりを希望する人には、主に3つの理由があります。
- 空間視覚的に分けたい
- 腰をかけてくつろげる場所をつくりたい
- なるべく収納を増やしたい
通常の床レベルより一段高くなっている部分のことを言います。
それではひとつずつ解説していきます。
小上がりのおススメ高さと使い方
空間を視覚的に分けたい。行き来重視なら15~20㎝
まず床のレベルを変えることで空間を緩やかに分けたいという理由。
間仕切り壁や建具をつけなくても床のレベルを変えてあげると空間は視覚的にも物理的にもゆるやかに分けることができます。
ただ、よく行き来するスペースの場合、あまり段差があると日常の行き来は大変になります。
行き来重視となれば、階段と同じように15~20㎝くらいに高さ設定がおすすめです。
また、10cmを切るくらい段差を小さくしてしまうと、かえってつまづきやすく危ないので避けておいたほうが無難です。
腰をかけてくつろげる場所をつくりたいなら30㎝~40㎝
腰をかけることができるスペースをつくりたいから床をあげるという理由。
リビングには腰をかける場所がソファーしかない場合、誰かにソファーを占領されてしまうと意外と腰を掛ける場所がありません。
リビング近くにちょっと腰を掛けることができる段差があると意外と使い勝手がよかったりします。
この場合は人が腰を掛けることが前提で高さ設定をする必要があります。
腰を掛ける高さを算出計算式はいつくかあります。
例えば 【身長】 ×0.25 = 【座る高さ】 という計算式。
160cmの身長の人であれば、160cm×0.25=40cm程度が適正な高さということになります。
大人の場合、たかさが40㎝くらいあったほうが立ちやすいわけですが、少し低めの30㎝くらいに設定してあげると子どもでも座りやすい高さになります。
なるべく収納を増やしたいなら30㎝~45㎝
せっかく小上がりをつくるなら床下を引き出し収納として利用したいという人は多いですね。
この場合30㎝程度で高さ設定だと、背の低い引き出し収納しか計画することができません。
収納を取ることを前提に考える場合は、ワタシが普段提案するのは高さは40㎝が多いです。
より収納重視して45㎝くらいまでは検討の余地あります。
ただ、その分日常の上り下りが大変になるので優先順位をよく検討して決定しましょう。
小上がりをつくるデメリット
小上がりをつくるということは、わざわざ段差をつくるということです。
当然デメリットもあります。
小上がりのデメリットとしては
- 段差があるのでバリアフリーにならない
- 小さな子供がいる場合は目を配る必要がある
- リビングの一部を小上がりにすると使えるスペースがせまく感じる
- 天井が低くくなる
上記に書いた代表的なデメリットは事前に覚悟しておく必要があります。
順番に具体的に解説していきます。
段差があるのでバリアフリーにならない
わざわざ段差をつくるわけですからバリアフリーではありませんね。
若い時は良くても、もうすこし年を重ねた時、段差がない方が良かったと思う時がくるかもしれません。
また、ルンバなどのお掃除ロボットは段差がある部分は掃除してくれないのもデメリットといえますね。
小さな子供がいる場合は目を配る必要がある
わずか20㎝の段差でも、小さな子どもにとっては怪我する可能性がある高さです。
特に寝返りやハイハイしかできない子どもの場合、わずかな段差が重大な事故にもつながるので注意が必要です。
小上がりスペースを畳敷きにしておむつ替えスペースとして利用するのはすごく便利ですが、その分子どもが落ちないように、しっかり目配り、気配りをする必要があります。
リビングの一部を小上がりにすると使えるスペースがせまく感じる
床の高さを変えると見た目以上にその空間にモノが置けなくなるので注意が必要です。
段差がある部分にはまたいでモノ置くことができないので、思うように家具の位置を調整できないなんてこともありえます。
あまりスペース的に余裕がない場合は、無理に床のレベルを変えるのは控えた方が得策です。
天井が低くくなる
床が上がる分天井高さが小さくなります。
天井2m40㎝程度あれば40㎝床を上げても2m程度は確保することが可能です。
もし、天井高さが低めだったり、吊り下げ式の照明器具を利用したい場合には、あらかじめ天井高さの検討や照明の位置関係を事前に確認しておきましょう。
まとめ
今回は小上がりスペースのおすすめ高さを使い方別に解説してきました。
- 空間視覚的に分けたいなら15~20㎝
- 腰をかけてくつろげる場所をつくりたいなら30㎝~40㎝
- なるべく収納を増やしたいなら30㎝~45㎝
実際、小上がりを検討する場合、上の3つのどれか1つというよりは、複合的な視点で検討することが場合が多いわけです。
そのため、どんな高さがより自分たちに適しているか?あらかじめ判断して決める必要があります。
小上がりスペースは空間に変化を持たせることができる反面、デメリットもあります。
よく検討した上で採用するかをどうか決めましょう。