家づくりを進める際、しっかり考えておきたいのが「収納」
中でも『新築するなら絶対に作りたい!』という人も多いのがウォークインクローゼット収納です。
でも、実はこの素敵で便利そうにみえるウィークインクローゼットは計画次第では予想に反して使いにくかったり無駄が多い収納になってしまうことを知っていますか?
もちろんメリットもありますが、必ずしもウォークインクローゼットが最適かつ再現の収納計画になるとは限らないというわけです。
今回はウォーキングクローゼットのメリット・デメリットと失敗しないための10のポイントを解説します。
もしただ単に「家を建てるならウォークインクローゼットはとりあえずつくっておきたい」と考えているだけなら、まずはこの記事を一読してからあなたに本当に必要な収納なのかもう一度考えてみる必要があります。
まずはウォークインクローゼットにひそむデメリットとえられるメリットをしっかり確認するところから始めましょう。
ウォークインクローゼットのデメリット
デメリット①:通路がある分、面積あたりの収納力は小さくなる
ウォークインクローゼットはクローゼット内に通路を設ける分、収納スペースが減ることが最大のデメリットといえます。
収納のために確保できるスペースが小さい場合、無理にウォークインクローゼットとして計画すると収納力が限定的になってしまうことになります。
このような場合には、あえてウォーキングクローゼットにするメリットも少ないため、通常のクローゼットタイプへ切り替えることを検討するほうがよいかもしれません。
デメリット②:自然光を積極的に取り入れにくい
クローゼットという特性上、積極的に窓を設けて自然光を取り入れるってことがしずらいスペースといえます。
窓を設けると当然ながら窓前を避けながら衣類等を収納することが前提になるので、その分ウォークインクローゼット内の収納力は必然的に少なくなってしまいます。
また、窓を設けることにより紫外線の影響をより受けやすくなるので、収納している衣類等が日焼け(変色)で変色してしまうことがあります。
明るさや換気のしすさを重視して窓をつける場合は設置位置や方位についても考慮する必要があります。
デメリット③:油断するとモノが迷子になりやすい
スペース的になんでも収納しやすい分アイテム数が多くなりがちです。
なんでも適当にポンポン収納してしまうと、ただ雑多にモノがあふれる使いにくい収納になってしまいます。どこにを何をしまうかしっかり定位置を決めて収納することが必要となります。
ウォークインクローゼットのメリット
メリット①:クローゼット内でコーディネートや着替えができる
衣類をまとめて収納できるため管理がしやすいことがメリットです。
また、衣類だけではなく、バッグや帽子、アクセサリーといったファッションアイテムをすべて収納できるのでコーディネイトや出かける際の準備がしやすくなり、十分な広さを確保できれば衣替えもその場で行えます。
メリット②:大きな荷物も収納できる
親から引き継いでどうしても処分できないタンスだった置くことができるし見た目もさほど気になりません。また、広さによっては衣類だけではなく、布団類やスーツケース、ゴルフバッグ、扇風機といった大型用品や季節品まで収納できることもメリットといえます。
メリット②:部屋の壁面をより多く確保できる
壁一面にクローゼットを計画すると、その分その部屋には使える壁が少なくなっていきます。
壁面が少なすぎると実は使い勝手が悪く、よく見ると部屋のどこにも物を置く場所がないってことになりかねません。
その点ウォーキングクローゼットとして収納を計画する場合、別の部屋として計画するので出入り口以外は壁として活用ができます。
失敗しないウォークインクローゼットをつくるための10のポイント
ウォークインクローゼットのメリット・デメリットは理解できましたか?
ではどうすれば機能的で使いやすいウォークインクローゼットを計画することができるのでしょうか?
ここからはぜひ考えてほしい具体的なポイントを見ていきましょう。
ポイントその1:収納する衣服の幅や収納ケースの大きさをしっかり確認しておくこと
これは基本中の基本ですが、現在お手持ちの衣類の量や収納ケースの大きさを自分でもしっかり把握しておきましょう。
シャツなどの衣類は奥行50~55cm程度。ボリュームのあるダウンジャケットだと奥行60cmくらいが目安となります。
奥行きが思っていたよりとれなくて考えていた収納ケースが置けないなんてことがおきないように事前にチェックしておきましょう。
どんなモノをどこに置く予定かは最終的には自分にしかわからないわけですから。
ポイントその2:日頃の使用頻度や動作を考えてサイズや配置を決める
あなたがよく使うアイテムは何でしょう?
よく使うモノはなるべくウォーキングクローゼットの手前側に置いておくほうが絶対によいはずです。
普段の生活スタイルをなるべく具体的にイメージしながら内部の収納レイアウトを考えていきましょう。
また、収納ケースを置く場合、ケースの引き出しはしっかりひけるくらいスペースは確保できそうですか?
確保するとすれば収納ケースはどのくらいの奥行のものを購入すれば良いでしょう?
ただ置けるということだけでなく実際に『使う』ところまで考えることができる見え方が変わってきます。
その3:着替えまで考えるなら最低80㎝を確保したいけれど
ウォークインクローゼットは内部に通路が必要になりますが、できればこの通路幅は80cm程度(もちろん体形による個人差はありますのでよくご検討を)は確保したいところです。
単に通路として考えるなら60cm程度あれば事足りますが、クローゼット内部で着替えまですることを考えると通路幅はより広めにとる必要があるわけです。
ポイントその4:可動タイプの棚を検討してみる
ウォーキングクローゼットには衣類をかけるためのハンガー収納だけでなく必要に応じてカバンや帽子なども手軽に収納できるように棚の設置も検討してみましょう。
棚板は高さが自由に変えることができる可動棚がおススメ。可動棚であれば収納するモノに応じて高さを変えることができるのでスペースを無駄なく使うことが出来ます。
ポイントその5:姿見や長押やフックなどの仮掛けスペースを検討してみる
ウォーキングクローゼットでがっちりコーディネイトまですることを考えるなら室内に姿見や衣類を仮掛けできる長押やフックなどを用意しておくと便利ですよ。
ただ、その分収納スペースが犠牲になることも忘れずに。。。
ポイントその6:押入収納を検討してみる
寝室横に設けるウォーキングクローゼットには季節モノの布団類を収納したいという人も少なくありません。
その場合にはクローゼット内の一部に押入同様の中棚を設けるのも一案です。
でも、ここで注意点を1つ。布団の収納に必要な奥行きは衣類に比べ大きくなるので通路幅や他の収納スペースへの影響をよく考えつつ計画しましょう。
ポイントその7:ウォーキングクローゼットには扉をつけないという選択もあり?
ウォーキングクローゼットに扉をつけるかどうかもいま一度検討してみてはどうでしょう?
どちらかというとプライベートな位置に配置されることが多いウォークインクローゼット。
必ず入り口に扉が必要とは限りませんよね。
ワタシならウォークインクローゼットの扉はほぼ年中あけっぱなし状態だと思います。
あえて扉をつけず入り口をOPENにしたり、視線を遮れる程度の壁を設けてゆるくゾーニングするのもアリかもしれません。
ポイントその8:換気扇やコンセントを設ける
ウォーキングクローゼットはどちらかというと人の出入りは限定されるので、どうしても空気の動きはあまりなく湿度や匂いが停滞しがち。
そのため近くに窓がなかったり、空気がうまく循環してくれそうにない場合は、あらかじめ内部に換気扇を計画したりウォークインクローゼットに向けて扇風機やサーキュレータをつけて強制的に空気を循環できるようにコンセントを用意しておくと良いと思います。
仮に窓がある場合であっても花粉のシーズンや、隣近所の騒音などが気になる場合に役立つのでコンセントは必ず1か所は設けておくと良重宝しますよ。
また、換気扇を設ける場合、ベッドからの距離を確認してみてください。
もし換気扇の設置位置が枕元から近い距離にある場合、人によっては換気ファンの音が気になることもあるようなので、必要に応じて手軽にON/OFFできるようにしておくも一案ですね。
ポイントその9:照明の色に注意する
ウォーキングクローゼットの照明の色をどうするかは結構重要です。
もし電球色にしてしまうとどうしても赤みが強いため本来の色味がわかりずらいというデメリットが生じてしまいます。
しっかり衣類の色味を確認したいならウォーキングクローゼットの照明は昼白色や昼光色を選択するのがおすすめです。
ポイントその10:通り抜けできるウォークスルークローゼットとして考える
ウォークインクローゼットは通常入り口は一つ設けてるのが一般的ですが、もう一つ入り口を計画的に設けてウォークスルークローゼットにすると回遊動線として使い勝手の向上が期待できます。
また、入り口が2か所に増えることで人だけでなく空気も回遊できるようになるので換気されやすい収納になります。
ただ動線にこだわりすぎると肝心の収納としての機能が十分に確保できないということも起こりうるので注意が必要です。
まとめ
あこがれのウォークインクローゼットにはメリットだけではなくデメリットもあります。
まずはそれを十分理解したうえで、ウォークインクローゼットを採用するか否かを検討することから始めてください。
またウォークインクローゼットなどの収納は、奥行きや広さをが少し違うだけで使い勝手に大きな差が出てきます。
計画段階からすべてを想定するのはたしかに難しいことで、正直ワタシも完璧にはできないと思います。
それでも自分が想像できる範囲でかまわないので、何を収納してどのように使いたいかを事前に考えること。
そしてそれを明確に現在相談している担当者に伝えること。
それが失敗しないウォーキングクローゼットの第一歩ですよ。
今回あげたウォーキングクローゼットを計画する際に気を付けたい10のポイントを参考にしつつ、自分なりのウォーキングクローゼットを計画みてください。